良心の呵責に堪えかねたといった雰囲気で会見に臨んだゴーストライター、新垣隆さんが記者会見でふと洩らした、「自分の作品が認められるのが嬉しかった」という言葉が印象に残った。それを聞いて思い出したのは、昔、警察官の制服を集めるのを趣味としていた男が自宅で着用するだけでは飽き足らず、その格好で外を歩いていて逮捕された話である。警察官の格好をして街を歩いていると、すれ違う見知らぬ人が「ご苦労さまです」と声を掛け、丁寧にお辞儀していったりする。それが快感で、男は警察官姿で外出するのがやめられなくなったのだという。人間は、肯定されると喜びを得る生き物なのである
聘請家務助理。
スポーツライターでクラシック音楽にも造詣が深い玉木正之さんのHPのウェブ日記によれば、佐村河内さん(=新垣さん)の楽曲は専門家間では評価が低いらしい。ひょっとしたら新垣さんは、売れたとはいえ、自身の作った曲の評価が芳しくないことに一番傷ついているのではないだろうか。
新垣さんが佐村河内さんのゴーストライターであることを名乗り出ただけでもおおごとである。しかし、それだけでは済まなかった。新垣さんが
月子中心、
「(佐村河内さんが)耳が聞こえないと思ったことは1度もありません」
と告白したことによって、騒動の火にさらなる油が注がれることになった。このとき僕は、佐村河内さんにエロテープを聴かせて勃起するかどうかを見て確かめればいい、と思った。でも、佐村河内さんがEDだったら耳が聞こえないことになってしまうか。ここで僕が思い出したのは、宝島の「VOW」に投稿されていた、ローマで物乞いをしていた車椅子の少年が自力で車椅子を乗り降りしているところを警察官に見つかって大目玉を食らったという、新聞のベタ記事である。この少年は警察官に見つかったとき、
「奇跡だ、歩けるぞ」
と叫んで言い逃れようとした。投稿者が、まるで吉本の喜劇を見ているようです、というコメントを付していたけれど、佐村河内さんの騒動も、どこか吉本新喜劇っぽい。パロディにするなら、キャラクター的にいって烏川耕一さんに佐村河内さんを演じさせると似合いそうな気がする。役名は“烏川河内”、劇中でマドンナ役の前田真希さんに恋をしている。真希さんが「私、ほかに好きな人がいるんです」と言うのを小耳に挟んで愕然とする烏川さんが、
去黑眼圈